こんにちは。整理収納アドバイザーの田中まきこです。
整理収納アドバイザーは片付けのプロとして多くの問題を解決しますが、中には解決が難しい事例も存在します。
今回は、「整理収納アドバイザーが解決できない事例3選」についてお話しします。
整理収納アドバイザーが解決できない事例3選
ここでは具体的に3つに絞って、私が体験したクライアントの中で、解決ができなかった。もしくは、解決するまでに非常に難航してしまった事例についてご紹介していきます。
これから整理収納アドバイザーを頼もうとしている方も、整理収納アドバイザーのプロとして活動したいと考えている方も参考にしていただければと思います。
- モノが減って不安になってしまったケース
- アドバイスを受け入れるのが苦手なケース
- ご本人が片付けを希望していないケース
モノが減って不安になってしまったケース
最初に紹介するのは、モノが減って不安になってしまったケースです。
モノが減って不安になることなんてあるの?
ほとんどの方はスッキリした空間に満足されますが、中には不安を感じる方もいらっしゃいます。
ある依頼者は、作業中に不要品として捨てたモノを、後からすべて部屋に戻してしまったことがありました。
整理収納アドバイザーは、物を「ゴミ」と呼ぶことはありませんが、この場合、不要品は使用済みのティッシュやカビの生えたタオル、破れた服など、一般家庭でいう「ゴミ」に分類されるものでした。当日、依頼者と一緒に要不要を分け、衛生面を考慮して処分しましたが、私が帰った後、依頼者は処分したゴミを回収し、再び部屋に撒いてしまいました。
依頼者は「部屋が汚い」ことはわかっているけれど、「捨てると不安」になる事と葛藤されていたのでしょう。その後も数回依頼をされて作業に入りましたが、結果も出ず、ご本人も辛そうであることを踏まえて、最終的には定期の依頼を私の方からストップさせていただきました。キレイになることが苦痛で苦しい状態では、作業を続けることは難しいと痛感した事例です。
アドバイスを受け入れるのが苦手なケース
次に、アドバイスを受け入れるのが苦手なケースについてお話しします。
アドバイスが苦手って、整理収納アドバイザーに依頼したんだよね?
ご本人は、苦手だとは認識されていなかったと思います
依頼者がアドバイスに対して怒り出してしまったという事例をご紹介します。
ある依頼者は、私が提案するモノの適量や収納アイディアに対して強く反発されました。「これはこのままでいい!」や「そんなことは聞いていない!」といった反応が返ってきたのです。
整理収納アドバイザーという名前の通り、依頼者が快適に生活できるようにモノの適量を伝えたり、収納アイディアをご提案することは整理収納アドバイザーの大切な活動の一つです。
雑談では普通に会話ができるのに、提案を進めると突然怒り出すため、アドバイス自体が苦手な方なのだと理解しました。最終的には、依頼者に言われるがまま、出したモノを元に戻す作業しかできず、次回の予約はお断りさせていただきました。
この経験から、アドバイザーを信頼してアドバイスを受け入れていただけなければ、整理収納アドバイザーとしてのサポート活動はできないのだという事を実感しました。
ご本人が片付けを希望していないケース
最後に紹介するのは、ご本人が片付けを希望していないケースです。
え!依頼されて、そんな事あるの!?
このケースでは、「依頼者」と「ご本人」が別の人物でした。
依頼者の悩みは、家族の一人の片付けに関するものでした。私はヒアリングの段階で「人の価値観を変えることはできません」とお伝えし、家族の私物を無理に処分せず、まずは依頼者のストレスがたまらない環境を作ることを提案しました。
しかし、作業当日、依頼者はその家族にモノを捨てることを強く求め、無理に作業に参加させようとしました。もちろん、ご本人はこれを嫌がり、結果的に片付けというよりも「お掃除」をしただけになってしまいました。
このケースでは、依頼者は整理収納アドバイザーに生活の改善を求めていたのではなく、自分の主張を家族に伝えるための手段として依頼していたのだと気づきました。その後、追加の依頼はありませんでしたが、この経験は、依頼者とご本人が異なる場合の依頼に対して、受けるかどうかの判断を非常に慎重にするきっかけとなりました。
おわりに
「解決できない事例!3選」の共通点として挙げられるのは、心理的・感情的な要因が大きく影響していることです。
モノが減って不安になってしまったケースでは、
依頼者が物を捨てることで強い不安感を抱いていました。この不安感が作業の進行を阻害し、結果として解決が難しくなったのです。
アドバイスを受け入れるのが苦手なケースでは、
依頼者がアドバイスを受け入れることに対して強い抵抗感を持っていました。感情的な反発が、スムーズなコミュニケーションを妨げ、作業の成功を困難にしました。
ご本人が片付けを希望していないケースでは、
依頼者と対象者の間で意識のずれがありました。対象者自身の心理的な抵抗や無関心が、片付けのプロセスを阻害しました。
この共通点からわかる事は、整理収納アドバイザーが直面する課題の多くは、物理的な問題よりも、依頼者の心理や感情に深く関わっているということです。
もちろん整理収納アドバイザーは、依頼者の心のケアや感情的なサポートに細心の注意を払います。
しかし、一方で専門家ではありませんので、ケアできることには限りがあることも事実です。
ぜひ整理収納アドバイザーに依頼される場合は以下の点に該当していないか、ご自身の状況を確認してみましょう。
・メンタルが安定していない
・疲労が溜まって休息をとりたいと感じる
・今、整理収納や片付けをやるべきか悩む
・アドバイザーが来ることに苦痛を感じる
整理収納は未来の自分への自己投資です。
しかし、どんな自己投資でも、日々の生活にカツカツな状態で始めるのは注意が必要です。
逆に、今だ!生活を変えるぞ!というエネルギーの時に取り入れて頂ければ、きっとそれに見合う効果を得られるはずです。
最後までお読み頂きありがとうございました。