こんにちは。整理収納アドバイザーの田中まきこです。
4月25日(木)、UR東京様よりご依頼いただき、東久留米市の滝山団地一街区集会所 にて整理収納セミナーを開催いたしました。当日は、団地にお住まいの60歳以上のシニアの皆さま29名 にご参加いただき、和やかで実りのある時間となりました。
セミナーのテーマ:「今日から変わる!整理収納術」
今回の講座のお話を頂いたのは、昨年12月のこと。
滝山団地では、**シニア居住者の方の「自宅での転倒事故」**を大変心配されており、UR東京の担当者様から、
これからの人生をもっと楽しんでいただくためにも、安全な住まいを整える学びの場をつくりたいんです!
という、熱い想いを伺いました。
実際、東京消防庁のデータによると、高齢者の転倒事故の多くは住み慣れた自宅で発生しています。
そしてその転倒が原因で、寝たきりや介護が必要な状態になってしまうケースも少なくありません。
そんな背景を受けて、**「今日から変わる!整理収納術」**というテーマで、
限られた60分間の中でも、シニア世代の暮らしに本当に役立つ内容を、わかりやすく、そして楽しくお届けしたい!という思いで準備を進めました。


ここからは、セミナー内でどのようなお話をさせて頂いたのか、少し紹介させて頂きます。
シニアの整理収納で大切なこと
冒頭では、まず「シニアの整理収納」で本当に大切なことをお話ししました。
シニア世代のクライアント様のお宅に伺うと、
年齢とともに体調や生活習慣が変化しているにも関わらず、家の使い方や片付けの意識が若い頃のままという方が少なくありません。
でも、「若い頃の整理収納」と「シニアの整理収納」では、大切にすべきポイントが大きく異なります。
体力の変化、安全面への配慮、そしてこれからの暮らしをどう快適にしていくか——
今の自分に合った整理収納の考え方にシフトすることが、無理なく、楽しく、そして安全に暮らす第一歩になるのです。
この講座のタイトルでもある「今日から変わる!」をテーマに、シニア整理収納の3つの大切な視点をお伝えしました。
①大切なモノをもっと大切に
シニアの整理収納でよくある誤解が、「片付け=捨てること」だと思ってしまうことです。

自分の大切なモノを、もっともっと手放さないと・・
捨てられないし、片付けは諦めるしかないな。
と、始める前から諦めてしまう方も多くいらっしゃいます。
「片付けなきゃ」ではなく、
**「大切なモノをもっと大切にしよう」**という気持ちで取り組んでほしい、そんなお話をさせていただきました。
②短期間で片付けようとしない
昔のように、「数日で一気に片付ける!」は、シニア世代には危険です。
たくさんのモノを一気に出すと、
- 体力的に疲れて途中で終わってしまう
- 片付けきれずに部屋が散らかる
- モノの場所を忘れてしまう
といったトラブルが起きがちです。
大切なのは、「少しずつ・ゆっくり・分けて行うこと」。
「続けることが一番の近道」ということを、参加者の皆さまにもお伝えしました。
③自分だけで抱え込まない
整理収納でよくある危険が、「ひとりで無理をしてしまうこと」です。
- 高い所からモノをとる
- 重い家具を移動する
- モノを捨てるのに何度も階段を上り下りする
こういった作業は、無理せず「人に頼ること」を検討してほしいと考えています。
また、「人に頼る」際のポイントなどもお伝えし、気持ちの良い片付けのやり取りについてお伝えしました。
「押し入れでコレイルカ」ワーク
このセミナーのハイライトは、
参加者同士でチームワークを発揮して取り組むワーク「押し入れでコレイルカ」でした!
このワークは、ただ「これはいる?いらない?」と仕分けるだけでは終わりません。
その後にやってくる“置き場所”や“処分方法”まで、事前にシミュレーションする実践的な内容になっています。


- どこに置けば使いやすい?
- どう処分するのが正解?
- 他の可能性は?
といった視点を、グループで話し合いながら整理収納を考えていくことで、
「なるほど!」「たしかに!」と、さまざまな気づきが生まれていました。
新しい発見や納得の声、そして何より、ワーク中は笑顔がいっぱい!
和やかな雰囲気のなかで、自然と交流も生まれていたのがとても印象的でした。
このワークを通じて、
「考え方さえわかれば、片付けって楽しい!」「答えは1つでなくていい!」
という気持ちを感じていただけたのではないかと思います。
安全な暮らしのためにできること
セミナーの最後は、「転倒防止」と「災害時の備え」をテーマに、
これからの暮らしを“もっと安全にする”ためのアイディアをお話ししました。
床置きしない暮らし方
「何をどうすれば、床置きを減らせるのか?」を日常の中で考えるのは、なかなか難しいものです。
セミナーでは、具体的な事例や工夫、収納の仕組みをご紹介しながら、床置きを減らす為のヒントをお伝えしました。
災害時に備える
また、近年ますます必要性が高まっている「防災」の視点も加えて、
“いざという時にすぐ持ち出せる場所”や“安全に避難できる工夫”についてもお話しました。
身近なグッズでできる工夫
また、会場には「収納グッズコーナー」も併設し、100円ショップで手に入るアイテムを使った収納アイディアもご紹介しました。多くの方が立ち止まり、実際のモノを手に取りながら質問してくださったのが印象的でした。


まとめ
今回のセミナーは、「今日からできること」に焦点を当てて構成しました。
皆さまがとても積極的に参加してくださり、講師の私も大きな学びと元気をいただきました。
・”これイルカ”は、いる・いらないで迷う時の参考になりました。
・考えをチョット変えると、こんなに便利に出来ると再認識しました。
・コツコツやってみます。楽しく拝聴させていただきありがとうございました。
そんな嬉しい感想をいただき、改めて、整理収納の力を感じる時間となりました。
ご参加いただいた皆さま、そしてこのような機会をくださったUR東京様、ありがとうございました!